特許庁、ASEANに出願しやすく 翻訳ミスに対応

特許庁、ASEANに出願しやすく 翻訳ミスに対応

2019-08-20

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日本経済新聞のwebニュースで、「特許庁、ASEANに出願しやすく 翻訳ミスに対応」という記事がありました(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48547450U9A810C1EE8000/)。

なんでも、「特許庁は日本企業が東南アジア諸国連合(ASEAN)に特許を出願しやすくする環境を整える。ASEAN諸国の特許当局トップと連携協力の強化で合意した。日本企業が取得した特許の権利を翻訳のミスを理由に正当に行使できない問題の解決へ議論を進めることでも一致した。」とのことです。

翻訳ミスは、文書が長くなれば、生じ易くなります。当社でも、何度も英語文書に目を通して、翻訳ミスを確認しても、何かしら残ってしまうことがあります。
そのような翻訳ミスだけで特許の権利が正当に行使できないというのも問題ですね。
日本の特許公報でも、結構、誤記ミスはありますが、訂正審判などの対応手段が設けられています。

「日本からASEANに出願する場合、翻訳が障壁の一つになっていた。例えば、タイやベトナムに出願する場合、タイ語やベトナム語で出願書類をつくる必要がある。翻訳のミスがあった場合、事後的に訂正できず、権利が保障されない問題も起きている。事後の訂正を認める制度をつくり、日本企業の知的財産が守られるようにする。」とのことです。

タイ語やベトナム語の特許明細書は、確認の方法がありません。
タイやベトナムに特許出願する場合、現地代理人と調整して、現地代理人に英語からタイ語やベトナム語に翻訳してもらうのですが、出てきた成果物は、実際、正しいかどうかは、確認の方法が無いので、信頼できる現地代理人に頼むしかないところがあります。
事後の訂正を認める制度作りは、このような現状から、重要と思います。

「日本からASEANへの特許出願は年間1万件前後あり、件数の増加が見込まれる。特許庁は日本企業がアジアに進出する際に国内と同様の審査が受けられるよう環境を整える狙い。
人工知能(AI)といった先端技術を巡る特許の審査方法もASEANと共有する。ASEANは各国で法制度が大きく異なる。審査基準の統一には時間を要するが、国際機関の東アジア・ASEAN経済研究センターが事例集をつくり、各国は国内基準への反映を検討する。」

現在、中小企業でも、脱中国が進んでおり、東南アジア系への進出は、よく耳にします。東南アジアでも、日本の特許技術を利用することは多いですから、現地で知的財産を抑えるというのは重要なことです。
経験的に、日本で特許になった案件は、東南アジアでも特許になり易いです。
今回の合意で、東南アジアでの知的財産の権利化が円滑になり、中小企業でも東南アジアに進出し易い環境になればと思います。

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