「無印良品」商標訴訟で本家・良品計画が中国企業に敗訴確定。賠償金1000万円支払い命じる判決

「無印良品」商標訴訟で本家・良品計画が中国企業に敗訴確定。賠償金1000万円支払い命じる判決

2019-12-18

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YAHOOニュースで、「「無印良品」商標訴訟で本家・良品計画が中国企業に敗訴確定。賠償金1000万円支払い命じる判決」(BUSINESS INSIDER JAPAN)という記事がありました(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191212-00010000-binsiderl-bus_all)。

記事では、「無印良品を展開する良品計画(東京)が、中国で現地企業と「無印良品」の商標権を巡って争っている問題で、二審の北京市高級人民法院(日本の高裁に相当)は、良品計画の訴えを退け、中国で無印良品の商標権を保有する「北京棉田紡績品有限公司」に賠償金など約1000万円を支払うよう命じる判決を下した。」とのこと。

これは、衝撃的ですね。
本家の「無印良品」が、中国企業に敗訴し、更に、賠償金1000万円の支払いを命じられた、
ということです。
ことの発端は、本家が、中国で商標権を保有しておらず、中国企業が、本家の日本商標に対応する中国商標「無印良品」を取得したというところです。
中国進出では、いかに、先に中国商標を押さえるかが重要であることが分かります。

記事では、「良品計画は2017年12月の一審でも敗訴しており、二審判決をもって訴訟は終結する。良品計画はBusiness Insider Japanの取材に対し、事実を認めた上で「賠償金は既に支払い済み」とコメントした。」とのこと。

本家は、大分、残念だったと思います。
ただ、一方で、先に中国商標を押さえることを怠ったという本家側の落ち度も否めません。

記事では、「中国企業の本業は繊維業。タオルなど綿製品だけ「無印良品」の商標権を保有している。
同訴訟は、中国で「無印良品Natural Mill」を展開する北京棉田紡績品有限公司などが、良品計画と同社の現地法人無印良品(上海)を相手取り、訴えたのがきっかけ。
シーツやまくらカバーなど「24類」と呼ばれる商品カテゴリーにおいて、北京棉田が「無印良品」の商標を保有していると主張、良品計画側の権利侵害を訴えていた。」とのこと。

私的には、なぜ、中国進出の際に、商標調査、商標取得を行わなかったのかな?と思います。
商標は、先に出願して登録した方が勝ちですから、これは、北京棉田の勝ちですね。
こういった場合、本家が、北京棉田と事前交渉したり、中国での商標表示を異なる表示にするなど、いろいろ対応方法があったと思います。

記事では、「一審は北京棉田の訴えを一部認め、良品計画の権利侵害を認定したため、良品計画側はすぐに控訴。北京市高級人民法院で審理が続いていた。
中国側の報道などによると、これまでの経緯は以下の通り。
2001年、海南南華実業貿易が「無印良品」の商標を登録。クッションやタオル、枕カバー、ベッドシーツなど「24類」での商標権を認められた。
2004年、「無印良品」の商標が北京綿田に譲渡される。
2005年、良品計画が中国に進出。
2011年、北京綿田が「北京無印良品」を設立。2017、2018年ごろから日本の無印良品にそっくりな「無印良品Natural Mill」の展開を始める。
2017年12月、一審で良品計画側が敗訴、良品計画は上告。
2018年11月、両社の訴訟が表ざたになり、良品計画が状況を説明するコメントを発表。」とのこと。

先取り的に商標取得した海南南華実業貿易は、問題ありそうですね。
中国では、海外商標を先取り的に中国商標として出願して登録して、本家に中国商標を売りつけるというビジネスが存在します。そういった先取り的なビジネスに、本家の無印良品が引っ掛かった形になっています。
今から中国進出を検討している方は、先ずは、中国商標の調査から、最寄りの弁理士に尋ねてください。

記事では、「中国ECサイトTmallの無印良品公式店舗には、既に訴訟に負けたことを説明するコメントが掲載されている。
このほど下された二審の判決は、「商標登録には地域性があり、良品計画は中国で北京綿田の商標権を侵害している」と認定し、良品計画敗訴の一審判決を支持した。さらに中国の無印良品店舗やアリババECサイトTmall(天猫)の公式ショップで、権利侵害に是正するコメントを発表することや、賠償金など合計62万6000元(約1000万円)を北京綿田に支払うよう命じた。
Tmallの無印良品公式ショップでは、すでに、「一部商品で“無印良品”の商標が他社に取得されており、中国では使えないのに2014~2015年に使用していた」「二審判決を受け、北京綿田に対する権利侵害を避けるため、該当商品の商標の使用を見直した」などと声明を発表している。現地報道によると、該当商品からは「無印良品」の文字が消え、「MUJI」だけが残っているという。
良品計画は取材に対し「本件以外にも、今回の訴訟の相手方である棉田社との間では、複数の係争が続いています。棉田社がもつ24類に対する“無印良品”商標については、引き続き行政手続きおよび訴訟で商標の有効性を争っており、弊社はこの権利を取り戻すべく、今後も全力を尽くしていきます」
とコメントした。」とのこと。

他にも北京棉田と係争があるそうですね。先取り的な商標を回避するには、商標自体を変更した方が良いと思います。
こういった先取り的な商標の係争に巻き込まれないためにも、日ごろから、商標調査や商標登録を地道にしていくことを勧めます。

最後まで見て頂きまして、ありがとうございました!

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