「ドラクエV」小説版原作者が映画「ユア・ストーリー」製作委員会らを刑事告訴 詐欺や不正競争防止法違反などで

「ドラクエV」小説版原作者が映画「ユア・ストーリー」製作委員会らを刑事告訴 詐欺や不正競争防止法違反などで

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YAHOOニュースで、「「ドラクエV」小説版原作者が映画「ユア・ストーリー」製作委員会らを刑事告訴 詐欺や不正競争防止法違反などで」(ねとらぼ)という記事がありました(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191213-00000039-it_nlab-ent)。

記事では、「映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」で、主人公のキャラクター名「リュカ」を無断使用されたとして、「小説ドラゴンクエストV」作者の久美沙織さんは12月13日、映画の製作委員会などを詐欺や不正競争防止法違反、著作権法違反などの疑いで刑事告訴したと発表しました。」とのこと。

以前、「小説ドラゴンクエストV」作者の久美沙織さんが、映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」の製作委員会に民事で争いを掛けていましたが、今度は、「詐欺」、「不正競争防止法」、「著作権法」で刑事告訴とのこと。警察を巻き込んで、争うようですね。

記事では、「久美さんは1994年に発行された「小説ドラゴンクエストV」の作者。小説版の主人公「リュカ(リュケイロム・エル・ケル・グランバニア)」の名前が、映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」内で、無断で改変され使用されていた(映画版の主人公は「リュカ/リュカ・エル・ケル・グランバニア」)として、以前から名誉毀損などで製作委員会と争っていました。」とのこと。

主人公の名前が、無断改変で使用されたということだけで、名誉棄損を主張しても、実務的には、認められ難いと思います。
おそらく、それを感じて、刑事告訴を別で行ったんだろうと思います。
「小説ドラゴンクエストV」作者の久美沙織さんにとって、この主人公「リュカ(リュケイロム・エル・ケル・グランバニア)」の名前に強くこだわりがあったんでしょうね。

記事では、「久美さんによると、少なくとも「リュカ」の単語はノベライズ版だけで487カ所に渡って使用されており、さらに映画の宣伝でも「主人公の名前は小説版のリュカ」といった告知が行われていたとのこと。さらに「主人公が『リュカ』なので小説版が下敷きと混同して実際に見に行った」と発信していた人が、少なくとも4人はいたとしています。「もはや、連絡ミスや行き違い等の過失ではなく、ファンのみなさまを混同させて集客しようとする明確な【故意】が当初からあって、『リュカ』および『リュケイロム・エル・ケル・グランバニア』を【故意】をもって無断で利用・使用なさったのだ、それがいけないことだとはお考えでないのだ、と判断せざるを得なくなりました」(発表文より)。」とのことです。

映画の宣伝でも「主人公の名前は小説版のリュカ」との告知があったそうですが、宣伝広告では、誇張して行うことは、よくあることなので、これだけでは疑問があります。
又、混同者が「4人」とのことです。実務的には、厳しいでしょうね。
不正競争防止法の周知表示混同惹起行為の混同では、「4人」ぐらいでは、足りない気はします。
おそらく、映画の製作委員会が、きちんと久美さんに事前相談せずに、映画製作に当たったことが事の発端でしょうね。
映画の製作には、本当に沢山の著作権が絡んできます。ですので、そういった権利の整理などは、弁理士に依頼されなかったんでしょうか。

記事では、「容疑は詐欺または背任または業務上横領、不正競争防止法違反、著作権法違反で、告訴状は12月5日付(6日配達)で、東京地方検察庁および警視庁に提出したとのこと。「リュカ」という名称の著作物性が大きな焦点となっている同案件ですが、「詐欺または背任または業務上横領、不正競争防止法違反については、焦点となる表現物の著作物性が認められなくても該当すると考えております」と久美さんは語っています。」とのこと。

実務的に、「リュカ」という名称の著作物性が認められるかどうかは、極めて難しいと思います。外部的に見て、久美さん側は厳しい気はします。
ただ、久美さんとしては、「小説ドラゴンクエストV」作者ですから、この小説に関係することは、自分の子供のように思われるのは当然と思います。
逆に、こういったこだわりのある言葉などは、なぜ、商標取得などを検討しなかったんだろうか?という疑問が生じるところです。
商売では、どうしても、こだわりの言葉が生まれます。それは、その人が一生懸命だからです。そういった言葉は、知的財産になる可能性はあるので、その都度、弁理士に相談すべきと思います。

記事では、「【12月13日13時45分追記】
配給の東宝に確認したところ、今回の久美さんの発表について現時点ではまったく把握しておらず、書面なども届いていないため、刑事告訴の有無なども含めて回答は控えたいとのことでした。」とのこと。

配給の東宝としては、きちんと久美さんに相談していなかったという落ち度はあると思いますが、久美さんとしても、落ち度があると言えます。こういった事件で有利な立場になるためには、知的財産の知識と取得が欠かせないと思います。
事業家の方は、今後の参考にして頂ければと思います。

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