「人間将棋」商標に待った

「人間将棋」商標に待った

2019-08-26

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YAHOOJAPANニュースで、「「人間将棋」商標に待った」という記事がありました(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190818-00000004-yamagatan-l06)。

なんでも、「天童市が出願していた春の風物詩「人間将棋」の名称の商標登録について、特許庁から認められなかったことが17日、市への取材で分かった。同名イベントが他県でも広がりをみせていることが主な理由で、対応が後手に回った形だ。市は別名称かロゴでの再出願を検討している。」とのこと。

「人間将棋」を文字で出願されたんだと思いますが、一般名称化してしまって、登録にならなかったようです。
商標は、ある程度、使用されるようになると、一般名称化してしまい、自他商品識別機能を失ってしまいます。
ですので、一般名称化する前に、商標は素早く出願して権利化する必要があります。

「市によると、「人間将棋」と銘打ったイベントは、天童のほか全国3カ所で行われている。兵庫県姫路市は2015年から、岐阜県関ケ原町は17年から毎年開き、岡山県倉敷市も去年秋に初めて催した。1956(昭和31)年から64回の歴史を誇る天童とは比べようもないが、「第三者に登録され名称を使用できなくなっては…」との危機感から商標登録に踏み出した。」とのことです。

何回も使用されている状態ですので、既に「人間将棋」という名称自体が一般名称化してしまったと考えても仕方がないですね。

「去年6月に出願。既に登録されている類似名称がないなどの報告を弁理士から受けていた。しかし、本年度に入り、特許庁から送付されたのは「拒絶理由通知」。同名イベントが他自治体で開かれ「天童に限った名称ではない」と指摘されたという。」とのこと。

この弁理士が判断したのは、先行登録商標が無いということだけだったようですね。先行登録商標があるかどうかは、特許庁のデータベースから確認することが出来ますが、一般名称かどうかは、いろいろ調べる必要があります。
そこまで深く調べてなかったのかもしれません。

「甲冑(かっちゅう)姿の武者駒が巨大な盤上を動き、プロ棋士が対局する―。故事に倣ったこの趣向を確立したのは天童であり、姫路市、関ケ原町はともに手本にした。市商工観光課は「他自治体から『本家は天童』とリスペクトしてもらっている事情を強調する手だてが必要だったのでは」と悔やむ。」とのこと。

既に、姫路市や関ヶ原町でも行われていますから、特定の方に独占権として付与するのは、ハードルが高くなっていたんだと思います。
ロゴ化で再出願をするようですが、ロゴにより自他商品識別機能が強まれば、権利化は可能になると思います。

「将棋ブームは落ち着きつつあるが、同名イベントがさらに広がれば、本家の影は薄くなりかねない。市は長年にわたり培ったブランドを守るための次善策を検討。「天童桜まつり」をかぶせた名称、あるいは人間将棋をデザインしたロゴマークでの登録案を挙げる。「『人間将棋』の使用を禁止することはできないが、抑止力にはなり得る」(同課)との発想だ。」とのこと。

ロゴマークとした方が、姫路市や関ヶ原町と比べて、天童市の独自性が出てきて、逆に良かったのではないかと思います。

「ちなみに天童の冬の風物詩「鍋合戦」は2004年、天童商工会議所が商標登録済みで、無断使用できない。今年は11月17日に「令和鍋合戦」として開催する。」とのこと。

地域で良く使用される文字は、商標取得して保護する必要があります。今回の「人間将棋」の商標出願も、地方の無形財産となる文字の取得が狙いだったんでしょうね。
商標はどうしても早いもの勝ちのところがあり、先行登録商標が無い場合であっても、一般名称化された文字は、商標登録できない良い例だと思います。
ある文字でブランド化する際には、早めに弁理士に相談してもらいたいですね。

最後まで見て頂きまして、ありがとうございました!

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